Interview
古木に新たな価値を。それを必要としているお客様と本気で向き合うために
田中 亮
たなか あきら
株式会社 山翠舎
現場監督・営業
お客様から新たな世界観も深い人生観も教わる仕事
「仕事を通じて、いろいろな人生観を持ったお客様に出会える」
現場監督と営業を担っている田中 亮さんは、新規に開業する飲食店舗の内装設計・施工などを手がける山翠舎ならではのやりがいを日々味わっていると語る。
「山翠舎に仕事を依頼していただける方は『今までの社会人人生の集大成として自分のお店を持ちたい』という強い想いを持っていることも多いんです。人生をかけた挑戦といったら大袈裟かもしれませんが、会社員が会社の予算でやるのとは本気度が違うので、私も毎回、身が引き締まる思いで向き合っています」
惰性でものづくりをしている人がいない。そんな現場での経験は入社前には想像していなかった濃さがあると話す。
「たとえば先日施工に携わった、長野県小諸市に開業した『彩本堂(さいほんどう)』さんは、空き家となっていた木造の建物を改装し、柱に古木を使ったとても趣のあるカフェ。サイフォンコーヒーの抽出技術を競う国内大会で、最多となる3度の優勝に輝いた方が支配人を務めています。コーヒーに盆栽を一緒に添えて出したりと、お客様の五感を刺激する新しい体験を提供していると聞き、私自身も新たな世界観を知ることができました」
古木を使って手がけた店舗は、ひとつひとつどれも忘れられないほど印象深い。しかし、田中さんが山翠舎に興味を持った理由は他にもあったという。
使わなくなったものに価値を吹き込む“リユース”に興味を持つ
生まれは長野県伊那市。少年時代の遊びといえば山や川を探検したり、友達と秘密基地を作ったりと、身近にあった自然の中で過ごすことだった。
「与えられたもので遊ぶより、そこにあるものを使って自由にものを作る楽しさを幼少期に覚えました。父親が工務店で働いていたので工具もあったし、家を作っている建築現場にもよく連れて行ってもらったことから、将来はこの分野で働きたいと思っていました」
そんな少年時代の想いを実現するために、建築を学びに埼玉県の大学へ。そこで田中さんはある興味深いテーマに出合う。
「大学でお世話になっていた教授の講義で、一度使ったものをゴミにしないで何度も活用するなど、再度価値をつけて事業にするリユースを学びました。勉強するうちに私も興味が湧き、就職活動のナビサイトでは『再生可能な素材』『自社工場がある』などのキーワードで検索するほどでした。結果的に検索で残った企業が、山翠舎しかなかったのも何かの縁だったと思います」
建築現場で使われている素材はほとんどが新品。施工した後はゴミも多く出る。リユースが極端に少ない分野だからこそ、山翠舎のように古民家にある朽ちて使えなくなる前の古木に新たな価値を吹き込む事業に田中さんは興味を持った。
「2012年の入社当時は、木の雰囲気が好きな方に、古民家で使っていた古い木を使いませんかといった提案をしていました。そこまで古木、古木とブランディングを意識して言っていなかったかもしれません。それでも私のやりたいことには近かったので、今日に至るまで10年近くこの会社でいろいろな仕事を経験できました」
自分軸を持って主体的に動ける人に来てほしい
山翠舎はこれからどうなっていくと思うか。そんな質問に田中さんはこう答える。
「未来はわかりませんが、正直なところ未熟な部分もある会社だと感じています。社員一人ひとりの役割の線引きも曖昧な点があり、私も現場監督と営業を兼務するつもりはなかったからです。ただ、結果的にいろいろな経験ができる会社だとも感じています。店舗施工の案件で提案から完工まで、まさに1から100まで一通り携われる会社はそれほどないのではと思っています」
山翠舎のメンバーは若い。現場監督も新卒や20代で女性も活躍しており、代表の山上氏は時代を読んだ事業展開や新しいことを始める行動力がある。自由な社風も、そんな組織だからこそだろう。
「会社が大きくなるにつれて事業が多角化したり、ルールが増えたりするのはよくあることです。それでもいろいろな価値観を持ったお客様に対して、古木を使ってオーダーメイドで物件を作っていくという山翠舎の軸は変わらないはず。私自身もそこにやりがいを感じているので、これからもその良さを持ち続けながら成長していきたいですね」
最後にどんな人が山翠舎にあっているのか、田中さんが一緒に働きたい人物像を尋ねてみた。
「どんな個性も受け入れる多様性のある会社です。ただ、主体的に動けない人は向かないかもしれません。私も現場では自分で判断して動くことも多いですし、これからは古木以外にもリユースできる商材を考えたいと思っています。そんな自分の想いを持って行動できる方と働きたいですね」
古木を事業の軸に、お客様の夢を叶える仕事を担う山翠舎。自分の軸がある人にとってもまた、夢を叶えられる会社であると田中さんは言う。